レントゲンで異常があると言われたんですが、肺癌ではないですよね?
2019年6月14日 金曜日検診でレントゲンに異常があると言われたら、心配になりますよね? 今回は、胸部レントゲンについてお話しします。 胸部レントゲンは、日本の制度では40歳以上の方は毎年撮影するよう勧められています。 胸部レントゲン検診の主目的は、肺癌を早期に発見し治療することです。 肺癌は、全ての癌による死亡の中で、男性の一位、女性の二位を占めており、五島では喫煙者が多いためか、毎週の様に肺癌の患者さんが新規に見つかっています。
1. 肺癌はどんな人がなりやすいのか
肺癌は、50歳以降の男性に起こりやすい病気です。
男女比は約2.5:1とされています。
喫煙をしている人は、していない人に比べ約4倍肺癌にかかりやすくなると言われていて、若くから、たくさん喫煙されていればいるほどその危険は増すことになります。
自分で喫煙していなくても、煙を吸い込む受動喫煙も肺癌のリスクになります。
禁煙すればタバコを吸い続ける場合に比べてリスクが減ると言われています。
自分の意志でやめることも大切ですが、禁煙補助薬を用いればより禁煙できる可能性が高くなります。
当院(山内診療所)には禁煙外来もありますので、是非一度相談ください。
2. レントゲン異常を指摘された。次にどうすればいいの?
検診の胸部レントゲンで異常がみつかれば、医療機関受診を勧められます。
この場合は肺癌の専門である呼吸器科のある施設を受診するのがよいでしょう。
山内診療所には呼吸器内科専門医が常勤しています。
胸部レントゲンの異常がすべて肺癌というわけではありません。
肺炎や昔の結核の痕などもレントゲンでは異常陰影として映ります。
胸部レントゲン異常で受診された場合、もう一度専門医がレントゲンを見直して(前回のレントゲンから時間が経っている場合は、もう一度撮って比較することもよくあります)、詳しく診察した上で次の精密検査の方針を立てます。
実際には、レントゲンで指摘された異常陰影をより詳しく調べるために胸部CTを撮像することが多いです。
CTでは立体の情報が得られることができ、レントゲンよりも多くのことがわかります。
3. 肺癌の疑いがあれば、その後はどんな検査をするのですか?
肺癌の可能性ありと判断した場合、さらに精密検査を行います。
肺癌の場合、多くは気管支鏡とよばれる内視鏡を用いて腫瘍の一部を採取することになります。
検査の結果で、癌のタイプや遺伝子のタイプを調べて治療方法を決定していきます。
また、CTやMRIなどを使用して癌の進行具合を評価します。
癌が一部にとどまっている場合は手術で病巣を切除することで、完治の可能性がありますが、癌が遠くの臓器に転移してしまっている場合は、完治はできず、抗ガン剤などで進行を遅らせて少しでも長く生きることを目標とする治療を行います。
4. 癌にならないために、どのようなことに気をつければよいのか
タバコを吸わないことが一番大切です。
また、がん検診を定期的に受けることも大切です。
もしレントゲンで異常が見つかった場合は、山内診療所の外来に受診してください。
ベストな検査、治療を患者さんと一緒に考えていきましょう。