帯状疱疹ワクチンについて

2023年12月15日 金曜日

皆さん、帯状疱疹ワクチンがあることを知っていますか? 帯状疱疹は、一般の人でも知っている皮膚の病気ではないかと思います。周囲に後遺症で苦しんでいる人も多いのではないでしょうか。 今回は、帯状疱疹ワクチンについてまとめてみました☺

帯状疱疹ワクチンについて

帯状疱疹って何?
 帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが脊髄後根神経節に潜伏感染した後、再活性化することで引き起こされる皮膚疾患です。
 通常、子供の頃にかかりますが、ウイルスは体内に潜伏し、成人になると免疫力が低下したりストレスがかかったりすると再活性化し、帯状疱疹を引き起こす可能性があります。
 帯状疱疹は通常、帯状に水疱ができ、激しい神経痛や痺れ、かゆみを伴います。さらに、合併症として神経痛が残ることがあり、高齢者や免疫力の低下した患者にとっては特に深刻な状態になることがあります。
 どの年代にも生じる可能性がありますが、特に65歳以上ではその頻度が3倍以上に増加することが知られています。

帯状疱疹ワクチンについて

帯状疱疹ワクチンって知っていますか?
 シングリックス®は、50歳以上の成人における帯状疱疹の予防を適応として2018年に承認されました。
 下記に述べますが、予防効果も高く、私も50歳になったら接種したいワクチンです。
 50歳以上の成人、疾病または治療による免疫不全や免疫機能低下またはその可能性のある方を含め、帯状疱疹を発症するリスクが高いと考えられる18歳以上の成人が適応です。
2回のワクチン接種が必要で、 多くの県では、ワクチン接種の補助が行われており、1回につき1万円で、2回の接種で、2万円で受けることができます。
 残念ながら、長崎県は2023年12月現在、帯状疱疹ワクチンに対する補助が行われていません。ですので、1回2万円、2回で4万円の費用を負担する必要があります。
 帯状疱疹に過去に罹ったなどの有無にかかわらず、接種をお勧めします。
 副反応については、接種部位の腫れや発赤、頭痛、発熱などが報告されていますが、これらの症状は一般的に軽度で一時的です。

帯状疱疹ワクチンについて

帯状疱疹ワクチンの効果はどのくらいあるの?
2つの有名な臨床研究があります。
1つ目の臨床研究
50歳以上の15,411人を対象に、3年ほどのフォローアップ中、ワクチン接種すると、帯状疱疹の発症リスクを97.2%(95%CI 93.7-99.0)減少させました。

ワクチン接種しても6人が帯状疱疹を発症しましたが、後遺症の帯状疱疹後神経痛の症例は報告されませんでした。

2つ目の臨床研究
70歳以上の13,900人が対象に、平均3.7年間フォローアップされました。ワクチンを接種すると帯状疱疹の発症リスクを90%(95%CI 84.2-93.7)減少させました。

帯状疱疹を発症しても、帯状疱疹後神経痛を抑えるワクチンの予防効果は89%(95%CI68.7-97.1)でした。
 研究結果は、すごいの一言です。帯状疱疹の痛みや発症予防できるのであれば、ぜひ接種したいワクチンですね(^_-)-☆

どのくらい効果は持続するのか?
 長期的な有効性は2つの臨床研究の追跡調査で、7年間は、高い予防効果が持続するとされています。効果は最低でも7年有効で、研究の追跡調査では、さらに効果が持続すると考えられています。

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