新型コロナウイルスQ&A

2021年7月17日 土曜日

新型コロナウイルスワクチンQ&Aについて保護者の方に説明した内容です。Up to dateやNew England Jornalなどの文献から作成した内容です。 あくまでも公平な立場から意見しました。

新型コロナウイルスQ&A

Q:新型コロナウイルスワクチンが打てない人
<受けることが出来ないのは以下 4 つ>
・発熱している(37.5 度以上)
・重い急性疾患にかかっている
・ワクチンの成分(PEG)に対し重度過敏の既往
・接種受けるに不適当な状態の人
五島市岐宿町の予防接種では、診察を行なってから接種を行なっています。
普段全く健康診断を受けていないために接種会場では、血圧180〜200を超える人がいます。
その場合は接種を見送り、血圧など治療した後に接種を行なっています。
副反応で亡くなった方は、脳出血などを発症した事例が多いために、しっかりと医師が判断して接種可能か判断させて頂きます。 

<注意が必要なのは以下 6つ>
・抗凝固療法、凝固障害、血小板減少
・本人か近親者に免疫不全
・心・腎・肝・血液疾患
・発育障害
・過去の予防接種で 2 日以内に発熱、発疹が出た
・痙攣の既往
・本ワクチン成分(特に PEG)にアレルギー

Q:PEGってなに?
ポリエチレングリコールは、脂肪と思ってもらえばわかりやすいのかもしれません。
実は、医薬品に多く使用されています。
例えば、大腸内視鏡下剤(ニフレック, モビプレップ, マグコロール)
大腸検査の際にも腸をきれいにするために飲んでいますが、これもPEGが使用されています。
 そのほかにも、PEG 誘導体含有薬剤として
・抗不整脈薬:アミオダロン
・糖尿病薬:ランタス、トルリシティ
・向精神薬:エビリファイ
・抗 RA:ヒュミラ、シンポニー、ステラーラ
・抗がん剤:ハーセプチン、オプジーボ、リツキサン
・ステロイド:ケナコルトなど
多くの薬剤に使用されています。私は知りませんでした・・・

Q:副反応・アナフィラキシー
ワクチンの副作用:mRNA、PEG、添加物による
局所反応(発赤、疼痛、腫脹)・・・mRNA 自体による
アナフィラキシー・・・PEG、添加物(卵、ゼラチン、ラテックス)などによる
ワクチンの副反応ですが、局所反応はmRNAによって生じ、アナフィラキシーは、PEGが主な原因のようです。

Q:アナフィラキシーの頻度
一般的なワクチンのアナフィラキシーの頻度は、100万人に1人、新型コロナウイルスワクチンの頻度は、10万人に1人
実は、ペニシリンなど普段処方している抗生剤ですが、5000人に1人なので、新型コロナウイルスワクチンの頻度は比べる対象が変われば少ないのです。

Q:新型コロナウイルス感染重症化の割合
2020 年 6 月以降 に診断された人の中で重症化する割合は全体で約 1.6%
50 歳代以下・・・ 0.3%
60 歳代以上・・・ 8.5%
肺疾患、腎臓病、糖尿病、高血圧、心疾患、肥満といった基礎疾患のある場合も重症化しやすい(2021 年 2 月時点での厚生労働省のデータより)
こう見ると、若い人は重症化は圧倒的に少ない、基本的に50歳以下は、1000人かかっても3人しか重症化しません😁 やはり高齢者のワクチンは絶対推奨ですが、50歳代以下は基礎疾患の人は推奨、それ以外は任意接種ですね👍

Q:ワクチンは、無症候性感染を予防できるか?
無症候性および症候性の感染を減らす。
しかし予防が完全ではないため、アメリカでは、屋内の公共の場、または重度の病気のリスクがあるワクチン未接種の人々の周りで、マスクが推奨されている

Q:ワクチン後に感染する?
感染するが、頻度は低い
アメリカでの報告 2021年4月30日の時点
1億100万人のワクチン接種者のうち、10,262件感染
10%が入院、2%が死亡、27%が無症候性
(すべての入院または死亡がCOVID-19に関連しているわけではない)
ワクチンは、短期的には抜群の効果はある、1万人は多いように感じるが、1億人の中で1万人は相当少ない。これは報道の仕方で全く異なりますね👀

Q:毎年必要なのですか?
必要なのか2021年7月現在調査中 
ちなみに、6〜8か月前にモデルナクチンを投与された人に3回目投与後の副作用の割合と重症度は、2回目と同じで、効果のほども研究中

Q:変異株に対する有効性
変異株に有効かはデータは限られる
元のウイルスと比較した場合、ワクチンの有効性が低くなる可能性がある
デルタ変異体に対するワクチンの有効性は維持されているが、効果が低下する可能性がある
しかし、変異体による感染のリスクは、ワクチン接種を受けていない人と比較して、ワクチン接種を受けた人の方が依然として低い

Q:濃厚接触者だけど、症状がない人へのPCR検査はいつやるの?
 コロナの人と濃厚接触した後、PCR検査の検出可能な時間は不明
CDCは、曝露が特定された直後に検査を行い、検査が陰性の場合は、最後の曝露から5〜7日後に再検査することを推奨

 Q:ワクチン接種後の検査
特別な理由(例、ワクチン接種前に曝露)がない限り必要がない
ただし、ワクチン接種はPCR検査の結果に影響を与えない
つまり、ワクチンを接種した人はPCR検査はしなくても良いとCDCは発表
しかし、ワクチンはPCR検査の結果に影響を与えないとのこと

Q:子供がワクチンすべき?
アメリカではファイザーのワクチンを12〜15歳にも推奨
ワクチンの有効性、副作用は高齢者と同等
子供は、新型コロナウイルスにかかっても、多くが無症状から軽症 重症化はまれ
ただし感染後に小児多系統炎症性症候群の報告あり

Q:心筋炎は大丈夫?
・ファイザー・モデルナワクチン
心筋炎および心膜炎のまれな報告がある
ただし報告されたほとんどの症例は軽度
 ・男性、青年および若年成人で多い
ワクチン接種後1週間以内、特に2回目の接種後に発生
2回目の投与から4日以内に胸痛を発症し、心電図でST上昇、トロポニン陽性

・14〜19歳の男性7人
(3人はロキソニンのみ、4人は免疫グロブリンとステロイドを投与)
全員が1週間以内に症状が改善

Q:子供が感染した場合の症状
単一施設の171人の研究
中等度:5%
軽症:58%
無症状:36%
子供は、94%は無症状か軽症 中等症は5%なので、重症化リスクは相当少ない

 Q:子供でも後遺症はあるの?
コロナで入院した518人の子供の24% 全員それなりに重症
約9ヶ月間、症状(倦怠感、睡眠障害、筋肉や関節の痛み、頭痛、呼吸器系の問題、動悸、感覚障害など)が持続した。重症化すると後遺症が残る可能性あり

Q:小児多系統炎症性症候群ってなに?
子供が新型コロナウイルスで重症化するのは極めてまれだが、海外では重症例の報告あり

 ・小児多系統炎症性症候群
新型コロナウイルス感染に続発して川崎病に似た全身の臓器に強い炎症を起こす病態 
新型コロナウイルス感染の 2〜6 週後に発症
発症時にはすでに PCR 陰性であることが多い

小児多系統炎症性症候群
953 例のレビュー
発症年齢の中央値:8.4 歳
肥満を除き、基礎疾患をもつ者はまれ
症状:発熱、胃腸症状(85.6%)や心血管症状(79.3%)
過半数(56.3%)でショック
海外の報告では、73.3%が小児集中治療室で治療
3.8%の患者にECMOが使用された
死亡率は 1.9%
小児多系統炎症性症候群の発生率は不明

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